技術記事ぎじゅつの きじ

AI内製化と外注の選び方|既製サービスで足りるか見分ける方法

AI内製化と外注、どちらを選ぶべきか。AIの受託開発をしている当社が、既製のサービス(SaaS)で足りるかを先に確かめる見分け方を、図で解説します。当社が自社の仕事で実際に選んだ5つの例も紹介します。

公開こうかい

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AIを仕事に取り入れる道は、大きく3つあります。既製のサービスを使う、社内で作る、外の会社に頼む、の3つです。社内で作ることを「AI内製化」、外に頼むことを「外注」と呼びます。どれを選ぶかで、かかるお金も、始めるまでの早さも、あとの手間も変わります。

当社は、AIの受託開発をしている会社です。それでも、ご相談の内容が既製のサービスで足りるときは、そうお伝えしています。この記事では、3つの道の違いと見分け方を、図で説明します。あわせて、当社が自社の仕事で、実際にどの道を選んだかも紹介します。

先に要点を3つ挙げます。

  • 作る前に、2つのことを確かめます。 その仕事をなくせないか。既製のサービスで足りないか。作るのは、その後です。
  • 答えは「使う」と「作る」の組み合わせになることが多いです。 当社でも、自社の仕事で全部を自分たちで作ったのは、この記事で紹介する5つの例のうち1つだけでした。
  • AI内製化か外注かは、「作ったあと、直し続けられる人がいるか」で決まります。

AI内製化・外注・既製サービスの違いは、服の用意に似ている

3つの道の違いは、服の用意にたとえると分かりやすくなります。

既製服は、お店で買えばすぐに着られます。ただ、体にぴったり合わせるのは難しい。自分で縫えば、思いどおりの服ができます。そのかわり、腕と時間が要ります。仕立て屋に頼めば、体に合った服が手に入ります。お金と日数はかかります。

実は、よく選ばれるのは4つめの道です。既製服を買って、裾だけを直す方法です。AIでも同じように、既製のサービスを土台にして、合わない所だけを作ることができます。

AI内製化・外注・既製サービスの違いを、服の用意にたとえた図。既製服を買うのは、既製のサービスを使うこと。買って裾を直すのは、使いながら少し作ること。自分で縫うのは、社内で作ること(AI内製化)。仕立て屋に頼むのは、外に頼むこと(外注)。

既製のサービスとは、申し込めばすぐに使える、できあいのソフトのことです。SaaS(サース)とも呼ばれます。ChatGPTのようなAIのサービスも、その1つです。

3つの選び方のメリット・デメリット

3つの道を比べると、次のようになります。

選び方よいところ気をつけるところ
使う(既製のサービス)早く、少ないお金で始められる。直すのはサービスの会社自社のやり方に合わせにくい。サービスの都合で、中身や料金が変わることがある
作る(AI内製化)自社に合わせやすい。作り方の知恵が社内に残る担当する人の時間が要る。作ったあとの手直しも自社で行う
頼む(外注)自社に合わせやすい。社内に作れる人がいなくても進められる数十万円からのお金と、相談・見積もり・契約の手間がかかる。手直しの範囲は契約しだい

見落としやすいのは、「作ったあとの手直し」です。AIの分野は変化が速く、元になるAIの新しい版も次々に出ます。作った仕組みは、作った日から手直しが始まります。

AI内製化か外注か、4つの質問で見分ける

当社の考え方を、4つの質問にまとめました。上から順に答えていくと、選ぶ道が決まります。

AI内製化か外注かを、4つの質問で見分ける流れ図。1 その仕事は、なくせないか。なくせるなら、AIは入れずに、やめるか減らす。2 既製のサービスで8割はできるか。できるなら、使う。3 合わない所は、自社の強みにかかわるか。かかわらないなら、使いながら少し作る。4 作ったあと、社内で直し続けられる人がいるか。いるなら、社内で作る(AI内製化)。いないなら、外に頼む(外注)。

その仕事は、なくせないか

最初に確かめるのは、AIを入れる前に、その仕事自体をなくせないかです。たとえば、毎月作っている報告書を、誰も読んでいないとします。この場合は、AIで速く作るより、作るのをやめるほうが早く片づきます。

既製のサービスで、8割はできるか

次に、既製のサービスを探して、無料版やお試しで使ってみます。やりたいことの8割ができるなら、使うのがおすすめです。残りの2割は、仕事のやり方をサービスに合わせるほうが、作るより安く済むことが多いからです。8割という線は、当社の目安です。

合わない所は、自社の強みにかかわるか

8割に届かないときは、合わない所がどこかを見ます。お客様との約束や、売上を生む自社ならではのやり方にかかわる所なら、作る価値があります。そうでなければ、既製のサービスを土台にして、足りない所だけを作ったり、ほかの道具とつないだりします。

作ったあと、直し続けられる人がいるか

作ると決めたら、最後に、作ったあとの担い手を考えます。社内に直し続けられる人がいれば、社内で作ります(AI内製化)。いなければ、外に頼みます(外注)。外に頼む場合も、少しずつ社内に移していく道があります。

当社の実例:自社の仕事では、どの道を選んだか

当社は開発の会社なので、何でも自分で作っていると思われがちです。実際に、自社の仕事で選んだ道を5つ紹介します。

当社が自社の仕事で選んだ道の図。ホームページの相談フォームと、ページごとの閲覧数の集計は、既製のサービスを使った。広告用ページの申し込み欄と、AIに頼んだ仕事の記録は、既製のサービスを使いながら少し作った。全部を作ったのは、この技術記事の仕組みだけ。

自社の仕事選んだ道と理由
ホームページの相談フォーム使う:Googleフォーム。自前の仕組みは、動かすまでの準備が多かった
ページごとの閲覧数の集計使う:Googleの無料ツール(データポータル)。見るための画面を作る必要がなかった
広告用ページの申し込み欄使う+少し作る:入力欄だけをページに合わせて作り、届け先は同じGoogleフォームにした
AIに頼んだ仕事の記録使う+少し作る:タスク管理ツール(Linear)はそのまま使い、会話から自動で書き込む部分だけを作った
この技術記事の仕組み作る:自社の文書サービス(Library)で書き、サイトに表示する部分を作った

いちばん学びが大きかったのは、相談フォームです。当社は最初、送信の仕組みを自前で用意しました。ところが、メールを送る仕組みや、いたずらの送信を防ぐ仕組みを動かす準備が済まず、しばらく「準備中」の表示が続きました。Googleフォームに切り替えると、届いた相談は表計算のシートにたまり、届いたことはメールで知らせてくれます。相談フォームは、当社の強みそのものではありません。質問2で「使う」を選ぶべき仕事でした。

反対に、全部を作ったのは、この技術記事の仕組みだけです。記事を書いている文書サービスのLibraryは、当社の製品です。自社の製品で記事を公開していること自体が、当社の技術の紹介になります。質問3の「自社の強みにかかわる」に当たる仕事でした。

AIエージェントで「作る」は身近になった。それでも手直しは残る

AI内製化が話題になる理由の1つが、AIエージェントです。AIエージェントは、指示を受けて、調べる、作る、確かめるといった作業を、自分で順番に進めるAIです。先ほどの「AIに頼んだ仕事の記録」の仕組みも、当社はAIエージェント(Claude Code)に作らせました。

ただし、作れることと、直し続けられることは別です。仕組みを使い続けると、「ここを変えたい」「動かなくなった」がいずれ出てきます。AIに作らせた場合も、何を作ったのか、どこを直せばよいのかが分かる人が、社内に要ります。AI内製化で大事なのは、作れる人を探すことより、直し続ける体制を決めることだと、当社は考えています。

AIエージェントの始め方はClaude Codeを非エンジニアが使った実例で、任せた仕事の中身はAIエージェントの活用事例で紹介しています。

AI開発を外注するときに気をつける3つのこと

外に頼むと決めたら、次の3つに気をつけてください。

  1. 小さく試してから広げる。 いきなり全部を作らず、PoC(小さな実証)で、効果と使い勝手を確かめます。当社の場合、PoCは30万円から(税別)です。
  2. 作ったあとの手直しの範囲を、先に決める。 誰が、どこまで、いくらで直すのかを、契約の前に確かめます。
  3. 社内に残すものを決める。 使い方の手順書や、設定の記録を受け取っておくと、あとで社内に移しやすくなります。

費用の考え方は、AIエージェント開発の費用相場で詳しく解説しています。

相談の前に、次の4つを書き出しておくと、話が早く進みます。書き方の例です。

困っている仕事:
見積書づくり
いまのやり方:
表計算に手で写す
試したサービス:
まだ無い
直せる人:
社内にいない

よくある質問

AI内製化は、中小企業でもできますか

できます。ただし、全部を社内で作る必要はありません。既製のサービスを土台にして、合わない所だけを社内で作る形なら、担当する人の負担を小さくできます。当社の仕事も、多くはこの形か、既製のサービスをそのまま使う形です。

既製のサービスと外注では、費用はどれくらい違いますか

既製のサービスは、無料や月額で始められるものが多くあります。外注は、小さく試す段階でも、数十万円からが目安です。ただ、比べるべきは最初のお金だけではありません。作ったあとの手直しや、社内の人の時間も含めて比べてください。

相談したら、開発を勧められませんか

当社の無料相談では、既製のサービスで足りる場合や、そもそもAIを入れる必要がない場合は、はっきりお伝えしています。必要のないものは売りません。AIやシステムは、買って終わりの「モノ」ではなく、長く付き合う仕組みです。だからこそ、信用を第一にしています。

まとめ

AIを仕事に取り入れる道は、既製のサービスを使う、社内で作る(AI内製化)、外に頼む(外注)の3つです。作る前に、まず「なくせないか」「既製のサービスで足りないか」を確かめてください。作ると決めたら、作ったあとに直し続けられる人がいるかで、内製化か外注かを選びます。多くの場合、答えは「使う」と「作る」の組み合わせです。

どの道がよいか迷ったら、AI受託開発のページから無料相談をご利用ください。既製のサービスで足りるかどうかも含めて、一緒に整理します。

この記事の作り方

この記事は、下書きと図をAI(Claude Code)が作りました。図は、画像を作るAIではなく、AIがHTMLで描いたものです。当社の実例は、社内の作業の記録から取っています。人は、内容の確認と公開の判断をしました。AIで書いた記事についての当社の考え方は、AIが書いた記事はGoogleに評価される?にまとめています。

この記事の本文は、当社が開発・運用する文書管理サービスLibraryで管理しています。この きじの ぶんは、わたしたちが つくっている Library という ぶんしょの サービスで かんりしています。 Libraryの原文を開くLibraryの もとの ぶんを みる

相談そうだん

この記事のテーマで、開発を相談する。この きじの テーマで、かいはつを そうだんする。

記事で扱った構成や設計は、ソリューション事業部が実際の案件で使っているものです。同じ課題をお持ちでしたら、業務整理から一緒に進めます。きじに かいた つくりかたは、じっさいの しごとで つかっている ものです。おなじ こまりごとが あれば、いっしょに すすめます。

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