AIエージェントの活用事例として、中小企業の当社が、実際にAIへ任せた業務の記録を紹介します。当社では2026年9月23日から、代表がAIエージェント(Claude Code)に頼んだ仕事を1件ずつ、自動で記録しています。この記事では、28日までの6日間の記録をもとに、任せた業務の中身、終わるまでの時間、人が確かめたこと、うまくいかなかったことを、割合で紹介します。
先に要点を3つ挙げます。
- 約4割は、アプリやホームページ以外の仕事でした。 記事、メールの下書き、資料、調べもの、社内の管理です。
- 終わった仕事の半分近くは、頼んでから1時間以内に終わりました。
- 約半分は「人の確認待ち」でした。 AIの手が速いぶん、人が確かめて決める仕事がたまります。
AIエージェントとは:ChatGPTとの違いは「最後まで進める」こと
AIエージェントは、質問に答えるだけでなく、調べる、作る、確かめるといった作業を、自分で順番に進めるAIです。ChatGPTのようなチャットのAIは、答えや下書きを返してくれます。AIエージェントは、その先の作業まで進めて、仕事を仕上げます。
たとえるなら、チャットのAIは相談相手で、AIエージェントは実際に手を動かしてくれるアシスタントです。当社では、Anthropic(アンソロピック)社のClaude Code(クロードコード)を使っています。始め方は、Claude Codeを非エンジニアが使った実例で紹介しています。
当社のAIエージェントの使い方:頼んだ仕事を1件ずつ記録する
AIに頼みごとを送ると、AIはまず、タスク管理ツールのLinear(リニア)に記録を1件つくります。作業の区切りごとに、やったこと、変えたもの、確かめたこと、残っていることを書き足します。人の判断が要るところまで進んだら、記録を「人の確認待ち」にして止まります。人がOKを出すと「完了」です。質問への回答や雑談は、記録しません。

実際の記録から、1件を抜き出します。記事ページの相談ボタンがリンク切れになっていたのを、直したときのものです(言葉は、やさしく言い換えています)。
作業ログ(9月24日)
やったこと:
相談欄から、リンク切れの
ボタンを外した
確認:
自動テストが成功
各ページの表示に問題なし
残り:
公開して、サイトで確かめるこの記録の仕組みも、AIに作ってもらいました。仕組みを作る仕事そのものも、記録に残っています。
AIエージェントの活用事例:6日間に任せた業務の内訳
記録を、業務の種類ごとに分けると、次のようになりました。

| 業務の種類(割合) | 主な例 |
|---|---|
| アプリの開発・修正(約3割) | お客様の業務アプリの改良、自社アプリの新機能、アプリストアへの申請 |
| ホームページの更新(約3割) | リンク切れの修正、古いページの転送、問い合わせフォームの切り替え |
| 社内の管理・しくみ(約1割) | 作業記録の仕組みづくり、台帳の更新、パソコンの空き容量の整理 |
| 資料・印刷物・動画(1割弱) | 提携先のお店のメニュー表、事業のスライド、案内動画 |
| 記事の執筆(1割弱) | この技術ブログの記事(この記事も含みます) |
| 調べもの・集計(1割弱) | 競合アプリの比較、サイトの閲覧数の集計、AIの利用量の調査 |
| メールの下書き(1割弱) | お客様への進み具合のご報告、打ち合わせのお願い |
| 書類の確認・記入(わずか) | 契約書の確認、掲載サイトの申込書の記入 |
アプリとホームページの仕事が、全体の約6割です。残りの約4割は、それ以外の仕事でした。部署に当てはめると、開発だけでなく、営業(お客様へのメール)、広報(記事)、事務(台帳や書類)、経営(調べものや集計)の仕事にも使っています。AIエージェントは開発者の道具と思われがちですが、1つのAIエージェントが、部署をまたいで働いています。
任せた業務が終わるまでの時間:早いものは10分
完了した仕事のうち、半分近くは、頼んでから1時間以内に終わりました。1日以内なら、8割を超えます。真ん中の値は、約1時間15分でした。
早かった例の1つが、先ほどのリンク切れの修正です。頼んでから約9分で、直してテストをし、サイトに公開しました。約12分後には、公開中の全ページで直ったことまで確かめています。
時間がかかったのは、アプリストアの審査を待つ仕事や、レースの結果を待って記事に書き足す仕事でした。AIの作業が終わっていても、AIの外で待つあいだは完了になりません。
AIエージェントにできること、人が決めること
9月28日16時半の時点で、任せた仕事の約半分は、AIの作業が終わり、人の確認を待っていました。完了したものと、ほぼ同じ割合です。記録から、AIエージェントに任せたことと、人が決めたことを分けると、次のようになります。
| AIエージェントに任せたこと | 人が決めたこと |
|---|---|
| 調べて、要点をまとめる | 送るか、公開するか |
| 記事やメール、資料の下書きを作る | お金や契約にかかわること |
| アプリやサイトを直して、テストする | 実際のスマホでの最終確認 |
| やったことを記録に残す | どの仕事を先にやるか |
たとえば、メールの下書きは、どれも確認待ちでした。AIが作るのは下書きまでで、送るのは人です。当社では、お客様に送ること、サイトに公開すること、お金や契約にかかわることは、人が決めてからAIが進めるルールにしています。
任せるといっても、放っておくわけではありません。1回の会話の中でも、人は、確認への返事や次の指示を、何度かAIに送っています。AIの作業が速くなるほど、人の確認がたまります。確認待ちを毎日見る時間を決めておくことが、当社の次の課題です。
AIエージェントの失敗例:うまくいかなかったこと
AIに任せた仕事が、いつも一度でうまくいったわけではありません。記録に残っている失敗を4つ紹介します。
| 起きたこと | その後どうしたか |
|---|---|
| AIが残したメモに誤りがあった。ホームページは6日前に新しくなっていたのに、メモでは「まだ」になっていた | 公開中のサイトの状態は、メモを信じず、毎回その場で確かめさせるようにした |
| 別々の会話で頼んだ2つの作業が、同じ修正に行き着いた(4分違い) | 作業を始める前に、ほかで同じ作業が進んでいないか確かめさせるようにした |
| たくさんの会話を同時に動かし、使える量の上限に早く近づいた | 原因を調べ、故障ではなく、同時に動かす数と長い会話、考える深さの設定によるものだとわかった |
| 競馬の予想記事で、当日の芝の状態を計算に入れていなかった | 次からは項目に入れ、当日の発表のあとに計算し直すことにした(結果と敗因の記事) |
どの失敗も、記録が残っていたので、あとから原因をたどれました。
AIエージェントに仕事を任せる4つのコツ
6日間の記録から、任せるときのコツを4つにまとめます。
- 頼んだ仕事を、1件ずつ記録させる。 何を頼み、何が終わり、何が残っているかを、あとから追えます。
- 人が決めることを、先に決めておく。 送る、公開する、お金や契約にかかわる操作は、人が決めます。
- 確認待ちを見る時間を決める。 AIの作業は速いので、人の確認がたまりがちです。
- AIのメモを過信しない。 大事な前提は、その場で確かめさせます。
よくある質問
中小企業でも、AIエージェントは使えますか
使えます。当社も小さな会社で、この6日間の記録は、どれも代表1人がAIに頼んだものです。いくつもの会話を同時に進めることもあります。ただし、同時に動かす数が多いほど、人の確認もたまります。
何から任せればよいですか
メールの下書きや調べもののように、最後に人が確かめられる業務から始めるのがおすすめです。送る前や公開する前に人が見るので、AIが間違えても、外に出る前に止められます。
費用はどのくらいかかりますか
当社は、Claude Codeを、月額が決まった有料プランで使っています。個人向けのプランの料金と始め方は、Claude Codeの実例の記事にまとめています。自社の業務に合わせてAIエージェントを作る場合の相場は、AIエージェント開発の費用相場で解説しています。
お客様の情報を扱っても大丈夫ですか
当社では、パスワードや個人情報などの秘密の情報を、作業の記録に書かないルールにしています。AIに渡してよい情報の範囲は、会社の決まりや、お客様との約束に合わせて先に決めてください。
まとめ
AIエージェントに任せられる業務は、開発だけではありません。当社の6日間では、約4割が、記事やメール、資料、調べものなどでした。一方で、約半分は人の確認を待っていました。任せる範囲を広げるほど、人の仕事は「決めること」に集まっていきます。
当社では、こうした「AIに仕事を任せる仕組み」を、お客様の業務に合わせて作る開発も行っています。詳しくはAIエージェント開発・AI受託開発をご覧ください。
この記事の作り方
この記事も、下書きと図はAI(Claude Code)が作りました。割合は、タスク管理ツールの記録と作業の履歴(2026年9月28日16時半の時点)から計算しています。お客様の名前は伏せています。人は、内容の確認と公開の判断をしました。この記事を書く仕事も、記録の中の1件です。AIで書いた記事についての当社の考え方は、AIが書いた記事はGoogleに評価される?にまとめています。
