Claude Code(クロードコード)は、会話を新しく始めるたびに、前の会話を忘れた状態から始まります。それを補うのが「メモリ」です。AIが、次の自分にあてて引き継ぎメモを残します。当社でも、言葉づかいの決まりや進行中の仕事が、このメモに積み上がっています。
この記事では、メモリの仕組みを、当社で実際にたまったメモの中身で説明します。あわせて、使ってわかった注意点を紹介します。
先に要点を3つ挙げます。
- メモリは、AIの引き継ぎメモです。 人が書くものと、AIが自分で書くものの2種類があります。
- AIが毎回読むのは、メモの目次だけです。 中身は、関係があるときにだけ開きます。
- メモは古くなります。 書いた内容が今も正しいかを、確かめ直す決まりが要ります。
Claude Codeのメモリとは:AIの引き継ぎメモ
たとえるなら、交代勤務の引き継ぎノートです。前の番の人が「この件はここまで進めた」「このお客様にはこう伝える」と書いておけば、次の番の人は、同じ説明を聞き直さずに仕事を始められます。
公式の説明では、会話をまたいで知識を運ぶ仕組みは2つあります。
| CLAUDE.md(クロード・エムディー) | 自動メモリ | |
|---|---|---|
| 書く人 | 人 | AI |
| 書くこと | 指示と決まり | 直された点、進行中の仕事 |
| 読まれる時 | 会話の始めに毎回 | 会話の始めに目次だけ |
CLAUDE.mdは、人がAIに渡す指示書です。自動メモリは、AIが仕事をしながら自分で書きためるメモです。自動メモリは、最初から有効になっています。この記事では、おもに自動メモリを扱います。
手順をまとめた「スキル」とは役割が違います。スキルは仕事のやり方の手引きで、メモリは覚えておく事実です。スキルはClaude Codeのスキルとはで紹介しています。
メモの中身:1件が1つのファイル
当社で実際にたまったメモを、1件開いてみます。記事の下書きで件数を並べたところ、担当者に直されたときのメモです。名前などは伏せて、短くしています。

メモは、ふつうの文章のファイルです。人がいつでも開いて、直したり消したりできます。上の例では、AIが理由を聞いていなかったので、自分の受け取り方を「推測」と書き分けています。
いちばん小さな形は、次のとおりです。当社のメモを短くした例です。
---
name: wariai
description: >
記事に件数を
書かない。
割合で書く。
type: feedback
---
件数は書かない。
なぜ:理由は
聞いていない。
どうする:
「約4割」と書く。公式の説明では、メモの種類は4つです。頼む人のこと、直された点、進行中の仕事、調べ先です。プログラムを読めばわかることは、メモにしません。
メモが使われる流れ

大事なのは3です。AIが会話の始めに読むのは、目次だけです。目次には、メモ1件につき1行の説明が並んでいます。AIはそれを見て、今の仕事に関係するメモだけを開きます。メモが増えても、毎回すべてを読むわけではありません。
人から「これを覚えておいて」と頼むこともできます。
当社でたまったメモの内訳
当社のある作業場所では、2か月たらずでメモがたまりました。種類ごとの割合は、次のとおりです。

| 種類 | メモの例 |
|---|---|
| 進行中の仕事(約7割) | どの記事をいつ公開したか。何が人の判断待ちか |
| 調べ先(1割強) | 記事を登録する手順。つまずいた所と、その直し方 |
| 直された点(1割強) | 返答は日本語で書く。件数でなく割合で書く。専門用語は言い換える |
| 頼む人のこと(ごくわずか) | 役割と、担当している事業 |
この記事も、メモを使って作りました。人からの依頼は「今日の記事を書いて」のひと言です。読者は非エンジニアであること、長さの目安、図の作り方、公開までの手順は、どれもメモに残っていました。AIはそれを読んで、説明を聞き直さずに書き始めています。
メモが増えた日は、仕事を多く任せた日と重なります。AIに任せた仕事の中身は、AIエージェントの活用事例にまとめています。
使ってわかった注意
- メモは古くなります。 当社では、サイトを切り替えた日を、AIが誤ってメモに残していました。その日付は、ほかの文書にも写りました。後日、記録を調べ直して訂正し、「公開中のサイトの状態は、確かめてから言う」というメモを足しています。数えると、約1割のメモに、前の内容を訂正した跡がありました。メモには書いた日時が残るので、古いメモは確かめ直してから使います。
- 目次は、放っておくと膨らみます。 公式の説明では、会話の始めに読まれる目次は、先頭の200行か25KBまでです。超えた分は読まれません。この記事のために測ると、当社の目次は、行数は上限の4割ほどでしたが、大きさは上限の約8割でした。1行で書くはずの説明が、長くなっていたためです。
- メモは、決まりを強制しません。 公式の説明でも、メモリは参考情報として扱われます。設定のように、必ず守らせる仕組みではありません。必ず止めたい操作は、別の仕組みで止めます。
- メモは、そのパソコンの中だけです。 自動メモリは、ほかのパソコンや、ほかの人には共有されません。会社で共有したい決まりは、CLAUDE.mdやスキルに書きます。
- 秘密は書かせません。 当社のメモには、鍵やパスワードそのものは書かず、置き場所だけを書いています。お客様の名前が入ったメモもあるので、メモの置き場所は社外に出しません。
よくある質問
メモリを使うのに、設定は要りますか
要りません。自動メモリは、最初から有効です。Claude Codeの画面で「/memory」と打つと、たまったメモを見たり、機能を止めたりできます。
覚えてほしいことは、どう伝えますか
「これを覚えておいて」と頼みます。間違いを直すだけでも、AIは必要だと判断すればメモに残します。ただし、毎回メモを書くわけではありません。次の会話でも役に立つかどうかを、AIが判断します。
CLAUDE.mdと自動メモリは、どう使い分けますか
人が決めた指示はCLAUDE.mdに、仕事の中でわかったことは自動メモリに、という分け方です。公式の説明では、同じ間違いを2回されたときや、前の会話と同じ注意を打ち込んだときが、CLAUDE.mdに書き足す目安です。
まとめ
Claude Codeのメモリは、AIが次の自分に残す引き継ぎメモです。目次だけを毎回読み、中身は必要なときに開きます。任せる仕事が増えるほどメモも増えるので、古いメモを確かめ直すことと、目次を短く保つことが大事です。
当社では、こうした仕組みづくりも含めて、AIを業務に組み込む開発を行っています。詳しくはAIエージェント開発・AI受託開発をご覧ください。
この記事の作り方
この記事の下書きと図は、AI(Claude Code)が作りました。メモの画面と内訳は、当社で実際にたまったメモをもとにしています。名前などは伏せています。人は、内容の確認と公開の判断をしました。AIで書いた記事についての当社の考え方は、AIが書いた記事はGoogleに評価される?にまとめています。



