AIに頼んだのに、思っていたものと違う答えが返ってくる。そんなとき、「指示の書き方が悪いのか」と悩む方は多いです。
この記事では、AIへの指示の書き方を、当社がAI(Claude Code、クロードコード)に出した依頼文の記録と一緒に紹介します。
先に要点を3つ挙げます。
- AIへの指示は、新人に頼むつもりで書きます。 目的・完成の形・材料・守ることの4つを伝えます。
- 当社の最初の依頼は、半分強が50字以下でした。 長い文より、短いやり取りの回数で仕上げています。
- 毎回書く決まりは、依頼文に書きません。 手引きやメモに移して、AIに読ませます。
AIへの指示の書き方とは:新人への頼み方
AIを作っている会社の公式の手引きには、こう書かれています。AIは、優秀だけれど、こちらの決まりや仕事の流れを知らない新人だと考えてください、と。
入社したばかりの新人に、「案内文を作って」とだけ頼むと、どうなるでしょうか。誰に出すのか、どのくらいの長さか、分かりません。新人は、想像で埋めて作ります。AIも同じです。能力が足りないのではなく、事情を知らないだけです。
公式の手引きは、確かめ方も1つ挙げています。事情を知らない同僚に依頼文を見せて、迷うようなら、AIも迷います。
伝わる依頼文の4つの型

新人に頼むときに伝えることを、4つに分けます。
- 目的:何のために使うのか。
- 完成の形:長さ、形式、読む相手。
- 材料:もとにする資料や、これまでの経緯。
- 守ること:してほしくないこと、どこで止まるか。
たとえば、次のように書きます。
来週の説明会の
案内文を作って。
取引先の担当者に
出席を頼むためです。
A4で1枚、
やわらかい敬語で。
日時と場所は、
貼った資料のとおり。
送るのは私が
やります。1つ目の文が頼みごと、2つ目が目的です。そのあとに、完成の形、材料、守ることが続きます。全部で80字ほどです。むずかしい言い回しや、決まった呪文は要りません。
当社の実例:AIへの依頼文を数えた
当社がClaude Codeに出した依頼文を、手元に残っている会話の記録から数えました。言葉の有無で数えた、目安の割合です。

- 最初の依頼は、半分強が50字以下でした。 300字を超える長い依頼は、1割強です。
- 約7割の会話で、やり取りが2通以上ありました。 2通目からの返事は、約3分の2が20字以下です。
- 最初の依頼に入っていたのは、完成の形が約3割、目的と材料が約4分の1ずつ。 守ることは約1割でした。型がどれも入っていない依頼も、約4割ありました。
- 長く書いても、直しは減っていませんでした。「違う」「直して」という返事が出た会話は、最初の依頼の長さに関係なく、1割強でした。
型どおりに書けていない依頼が、かなりあります。それでも仕事が進むのには、理由が2つあります。
1つは、一度で言い切らず、やり取りで仕上げていることです。まず短く頼み、出てきたものを見て、足りない所を伝えます。
もう1つは、毎回伝える決まりを、依頼文の外に置いていることです。たとえば当社では、「今日の技術記事書いて」の一言で、AIが記事の下書きを作ります。読者は誰か、長さはどのくらいか、公開の前に人の了承を待つこと。こうした決まりは、スキル(手引き)に書いてあります。会社の事情は、メモリ(引き継ぎメモ)が覚えています。
新人も、仕事を覚えれば、短い一言で動けるようになります。AIの場合は、覚えたことを書いて残しておく、という違いがあるだけです。
使ってわかった注意
- 短い依頼は、読み違いも起きます。「記事にして」と頼んだら、AIが公開まで進めかけたことがあります。頼んだのは、書くことだけでした。どこで止まるかは、短くても書きます。
- 同じことを3回書いたら、手引きに移します。 毎回の依頼文が長くなるのは、決まりを置く場所が無いしるしです。
- 直すときは、理由も伝えます。「違う」だけでは、AIは別の想像で埋め直します。「読むのは取引先なので、社内の言葉は使わない」のように伝えます。
よくある質問
指示は、長いほうがよいですか
長さより、中身です。当社の記録では、長い依頼でも直しは減っていませんでした。4つの型のうち、足りないものを足すほうが効きます。
決まった書式や、英語で書く必要はありますか
ありません。当社の依頼文は、ふつうの日本語の話し言葉です。箇条書きにしなくても伝わります。
まとめ
AIへの指示は、新人への頼み方と同じです。目的、完成の形、材料、守ることを伝えます。一度で言い切ろうとせず、出てきたものを見て足します。毎回書く決まりは、手引きやメモに移します。
AIがまちがえたときの備えは、AIのミスを防ぐにはで紹介しています。
当社では、こうした頼み方や手引きづくりも含めて、AIを業務に組み込む開発を行っています。詳しくはAIエージェント開発・AI受託開発をご覧ください。
この記事の作り方
この記事の下書きと図は、AI(Claude Code)が作りました。割合は、当社の会話の記録にある依頼文を、長さと言葉の有無で数えたものです。人は、内容の確認と公開の判断をしました。AIで書いた記事についての当社の考え方は、AIが書いた記事はGoogleに評価される?にまとめています。



