AIに長い仕事を頼んでいると、「はじめに言ったのに」と思う場面があります。さぼっているわけではありません。AIが一度に覚えておける量に、限りがあるためです。
この記事では、Claude Code(クロードコード)の「コンテキスト」の仕組みと、当社の約3週間の記録、消えて困ることを守る備えを紹介します。
先に要点を3つ挙げます。
- コンテキストは、AIのホワイトボードです。 会話も、読んだ資料も、ここに書きとめられます。
- いっぱいになると、要約に置きかわります。 はじめの細かい指示は、消えることがあります。
- 消えて困ることは、会話の外に置きます。 当社では、決まりと進み具合を、別の場所に書いています。
Claude Codeのコンテキストとは:AIのホワイトボード
たとえるなら、会議室のホワイトボードです。AIは、会話のたびに、ここへ書きこみます。あなたの依頼、AIの返事、読んだファイルの中身、調べた結果。AIが見ているのは、このボードに書いてあることだけです。
ボードの広さには、限りがあります。この広さを「コンテキストウィンドウ」と呼びます。広さは、使うAIの種類と設定で変わります。
公式の説明では、ここに入るのは、会話の履歴、ファイルの中身、コマンドの出力、申し送り書、メモリ、読みこんだスキルなどです。
いっぱいになると、何が起きるか

ボードが埋まってくると、Claude Codeは、自分で場所を空けます。まず、古い調べものの結果を消します。それでも足りなければ、会話の全体を、短い要約に置きかえます。画面には「会話を要約しました」という意味の1行が出るだけです。
公式の説明によると、要約に残るのは、依頼とそのねらい、さわったファイル、出たエラーと直し方、やり残しです。消えるのは、調べた結果の全文と、途中の考えです。そして公式は、会話のはじめのほうの細かい指示は失われることがある、と書いています。
「この画面はさわらない」「金額は税込で書く」。こうした決まりを会話の中だけで伝えていると、長い仕事の後半で、抜けるおそれがあります。
もう1つ、大事なことがあります。新しい会話は、まっさらなボードから始まります。前の会話のボードは、引き継がれません。
当社の実例:約3週間の記録から
当社の会話の記録を、約3週間ぶん調べました。

- 要約が起きた会話は、約7つに1つでした。 数だけを見ると、多くありません。
- 仕事の量で見ると、半分近くです。 AIの発言の数で数えると、半分近くが、要約のあった会話の中にありました。約2割は、要約のあとに出た発言です。
- 長い会話では、ほぼ起きます。 長いほうから1割の会話では、9割近くで要約が起きていました。短いほうの半分では、一度もありません。
- 日をまたぐと、増えます。 1日で終わった会話では1割未満。2日以上つづいた会話では、約3分の1でした。
大きな仕事ほど、要約をはさんで進んでいます。「たまにしか起きないこと」とは言えません。
当社の備え:消えて困ることは、ボードの外に
- 決まりは、貼り紙にします。 ずっと守ってほしい決まりは、会話で言うだけにせず、申し送り書やメモリ、スキルに書きます。ボードが書きかわっても、壁の貼り紙は残ります。公式も、同じやり方を勧めています。
- 進み具合を、外に書き残します。 当社では、AIが、受けた依頼とやったこと、残りを、課題管理の道具に自分で書きます。会話が替わっても、そこを読めば続きが分かります。フックで、書き忘れも防いでいます。
- 仕事を区切ります。 別の話は、新しい会話で頼みます。大きな調べものは、サブエージェントに任せます。助手は自分のボードで調べ、まとめだけを返すので、元のボードが埋まりません。
長い会話の途中で、決まりを確かめたいときは、こう頼めます。
ここまでの決まりを
箇条書きで
見せてください。
抜けがあれば
足します。よくある質問
要約されると、全部忘れてしまうのですか
いいえ。依頼の中身、さわったファイル、やり残しは残ります。消えるのは、細かいところと途中の経過です。ただ、要約は会話の写しではありません。大事な決まりは、外に書いておくのが安心です。
ボードが広いAIなら、気にしなくてよいですか
広くなっても、限りはあります。当社の記録でも、大きな仕事の多くは要約をはさんでいました。広さより、消えて困ることを外に置く習慣のほうが効きます。
まとめ
コンテキストは、AIのホワイトボードです。いっぱいになると要約に置きかわり、はじめの細かい指示は消えることがあります。決まりは貼り紙に、進み具合は記録に、仕事は区切る。この3つで、長い仕事も任せやすくなります。
当社では、こうした仕組みづくりも含めて、AIを業務に組み込む開発を行っています。詳しくはAIエージェント開発・AI受託開発をご覧ください。
この記事の作り方
この記事の下書きと図は、AI(Claude Code)が作りました。割合は、当社の会話の記録を調べたものです。人は、内容の確認と公開の判断をしました。AIで書いた記事についての当社の考え方は、AIが書いた記事はGoogleに評価される?にまとめています。



